5_v1_車の鈑金修理はDIYでできるのか。実態とリスクを解説

車のちょっとした傷なら、自分で修理すれば安上がりだと思う方も多いのではないでしょうか。しかし、鈑金修理を行う上では注意点もあります。

本記事では、代表的な鈑金修理の手順、そして業者に頼まず自分で鈑金修理をするリスクを解説します。

目次

車のDIY鈑金修理の方法と手順

最初に、代表的なDIY鈑金修理の方法を詳しく解説します。いずれの場合にも、道具をしっかりと揃え、入念に準備してから着手することが重要です。

コンパウンドを使った傷の修復方法

コンパウンドを使った傷の修復は、比較的浅い傷に効果的です。必要な道具は、粗目と細目のコンパウンド、液体コンパウンド、マスキングテープ、スポンジや柔らかいクロスです。

作業手順は以下の通りです。

  1. 車の汚れを水洗いで落とす
  2. 傷周辺をマスキングテープで保護
  3. 粗目のコンパウンドで傷を研磨後、細目でさらに研磨
  4. 液体コンパウンドで仕上げてツヤ出し、拭き取って完了

コンパウンドの選択は、傷の深さに応じて行います。深い傷には粗目のコンパウンドを、浅い傷には細目のコンパウンドを使用します。また、研磨の際は、傷の周辺に対して平行に動かすことで、傷を目立たなくすることができます。

タッチペンを使った塗装の補修方法

タッチペンを使った塗装の補修は、小さな傷や欠けに適しています。必要な道具は、タッチペン、シリコンオフ、耐水ペーパー、コンパウンド、マスキングテープです。

作業手順は以下の通りです。

  1. 車を洗い、シリコンオフで油分を除去
  2. 傷周辺をマスキングテープで保護
  3. タッチペンで傷を埋め、乾燥後に耐水ペーパーで磨く
  4. コンパウンドで研磨し、作業完了

タッチペンの色選びは、車の塗装色に合わせることが重要です。メーカー純正のタッチペンを使用することで、色の誤差を最小限に抑えることができます。また、タッチペンで傷を埋める際は、複数回に分けて薄く塗ることで、自然な仕上がりになります。

パテを使ったへこみ修復の手順

パテを使ったへこみ修復は、深いへこみに対して有効な方法です。必要な道具は、パテと専用ヘラ、シリコンオフ、カラースプレー、サーフェイサー、ぼかし剤、クリアスプレー、養生シート、耐水ペーパー、ウエスです。

作業手順は以下の通りです。

  1. 車の汚れを水洗いで落とす
  2. 耐水ペーパーで塗料を除去し、シリコンオフで油分除去
  3. パテを塗布し、乾燥後に研磨
  4. サーフェイサー塗布、カラースプレーで塗装
  5. ぼかし剤とクリアスプレーで仕上げ、乾燥させて完了

パテ塗布の際は、へこみを完全に埋めるように塗ることが重要です。乾燥後の研磨では、周辺の塗装面と同じ高さになるまで丁寧に削ります。カラースプレーでの塗装は、薄く何度か重ねることで、自然な仕上がりになります。

車のDIY鈑金修理のメリット

ここではDIY鈑金修理のメリットを詳しく解説していきます。

費用を抑えられる

DIY鈑金修理の最大のメリットは、修理費用を大幅に抑えられることです。プロの修理工場に依頼すると、人件費や工賃などで費用が高くなりがちですが、DIYなら材料費と工具代のみで済みます。

例えば、小さなへこみ傷の修理なら、パテ、サンドペーパー、塗料などの材料費は数千円程度で済むことが多いです。一方、修理工場に依頼した場合、同じ修理でも数万円以上かかることがあります。

修理方法 費用
DIY修理 数千円〜1万円程度
修理工場に依頼 数万円〜10万円以上

ただし、DIYで必要な工具や材料は自分で揃える必要があります。工具は初期投資が必要ですが、一度揃えてしまえば長く使えるので、長期的に見れば費用を抑えられるでしょう。

自分のペースで修理できる

DIY鈑金修理のもう一つのメリットは、自分のペースで修理を進められることです。修理工場に出すと、預けている間は車が使えなくなってしまいますが、DIYなら空き時間を使って少しずつ作業を進められます。

特に、週末のDIYは時間を集中的に使えるので効率的です。仕事や家事の合間に少しずつ修理を進め、完了までに数週間かけるというのも可能でしょう。

  • 平日の夜:1〜2時間程度の作業
  • 休日:半日〜1日がっつり集中して作業
  • 修理完了までの目安:2〜4週間程度

ただし、作業には集中力と根気強さが必要です。思ったよりも時間がかかったり、うまくいかなかったりすることもあるでしょう。気長に取り組む姿勢が大切です。

車のDIY鈑金修理のデメリットとリスク

一方で、ここまで紹介してきたDIYでの修理にはいくつかの潜在的なデメリットとリスクが存在することを理解しておく必要があります。

適切な技術と知識が必要

車の鈑金修理を適切に行うには、専門的な技術と知識が不可欠です。自動車の構造や修理方法についての深い理解がなければ、修理を成功させることは困難でしょう。

例えば、鈑金パテを使用する際には、適切な混合比や塗布方法を知っておく必要があります。また、塗装の色合わせや仕上げにも高度な技術が求められます。これらの知識や技能がないまま修理を試みると、かえって状況を悪化させてしまう可能性があるのです。

さらに、車種によって構造や材質が異なるため、修理方法も一様ではありません。経験豊富なプロフェッショナルでさえ、新しい車種の修理に取り組む際には慎重を期します。アマチュアが独学で修理を行うのは、非常にリスクが高いと言えるでしょう。

修理ミスによる車の価値低下

DIYでの鈑金修理で失敗してしまうと、車の価値が大きく下がる可能性があります。不適切な修理は、見た目の美しさを損なうだけでなく、構造的な問題を引き起こす恐れもあるのです。

例えば、パテの塗布が不均一だったり、サンディングが不十分だったりすると、凹凸や色むらが生じ、修理箇所が目立ってしまいます。また、塗装の剥がれや錆の発生など、長期的なダメージにつながることもあります。

修理ミスが発覚した場合、再修理のために多額の費用が必要になるかもしれません。最悪の場合、車の価値が大幅に下落し、売却が困難になる可能性もあります。プロに依頼する際の費用を惜しんで自分で修理を試みたことが、結果的に大きな経済的損失につながってしまうのです。

安全性への影響と事故リスク

車の鈑金は、単なる見た目の問題ではありません。ボディパネルは、車の構造を維持し、衝突時の衝撃を吸収する重要な役割を果たしています。不適切な修理は、この安全性を大きく損なう可能性があります。

例えば、溶接の不備によってパネルの接合部が弱くなれば、衝突時に車体が適切に衝撃を吸収できなくなります。その結果、乗員への危険が増大するだけでなく、他の道路利用者にも被害が及ぶ可能性があるのです。

また、電気系統や燃料系統の近くで修理を行う際には、細心の注意が必要です。配線の損傷やガソリンの漏れなどを引き起こせば、火災や爆発のリスクが高まります。こうした重大な事故を防ぐためには、専門知識に基づいた適切な修理が不可欠です。

まとめ

本記事では、車の鈑金修理をDIYで行うことの実態とリスクについて解説しました。材料費や工賃を節約できる一方で、専門知識や設備が十分でないと、仕上がりの質や安全性に問題が生じる可能性が高くなります。

プロの技術と設備を備えた修理工場に依頼することで、高品質な鈑金修理を実現できます。車の美観と安全性を長期的に保つためにも、信頼できる修理工場を選ぶことが重要だと言えるでしょう。

カーライフステーション鈑金館は、テュフラインランドによりプラチナ認証を受けた鈑金修理工場です。高度な技術と最新設備を持つスタッフが全ての修理作業を実施しています。愛車の傷をしっかり直したいという方は、ぜひカーライフステーション鈑金館までお問い合わせください。

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