SEO用語集 初心者でもわかる50の専門用語

SEOの世界に足を踏み入れたものの、専門用語の多さに頭を抱えていませんか?「インデックス」「クローラー」「バックリンク」など、SEOについて調べれば調べるほど、難解な用語の壁に阻まれてしまうことがあります。SEO担当者として成長するには、これらのSEO用語を理解することが第一歩です。本記事では、   SEO初心者が必ず押さえておくべき50の専門用語を、わかりやすく解説します。用語をカテゴリー別に整理し、実務でどのように使われるのかの具体例も交えながら説明していきますので、この記事を読み終える頃には、SEOの専門的な会話にも自信を持って参加できるようになるでしょう。SEOの基礎知識を固め、効果的な施策を打つための第一歩を、この用語集から始めましょう。

目次

SEO基本用語:検索エンジンの仕組みを理解する

SEOに取り組む上で、まず押さえておきたいのが検索エンジンの基本的な仕組みに関する用語です。これらを理解することで、SEO対策の本質が見えてきます。

1. SEO(Search Engine Optimization:検索エンジン最適化)

SEOとは「Search Engine Optimization(検索エンジン最適化)」の略で、Webサイトを検索エンジンの上位に表示させるための施策全般を指します。検索結果で上位表示されることで、サイトへの訪問者を増やし、ビジネスの成果に繋げることが目的です。SEOは大きく分けて「オンページSEO」と「オフページSEO」の2種類があります。

2. 検索エンジン(Search Engine)

インターネット上の膨大な情報からユーザーが求める情報を探し出すためのシステムです。代表的なものにGoogle、Yahoo!、Bingなどがあります。日本ではGoogleが約75%のシェアを占め、SEO対策といえばGoogle対策を指すことが多いです。検索エンジンは「クローラー」「インデックス」「ランキングアルゴリズム」の3つの主要要素で構成されています。

3. クローラー/スパイダー(Crawler/Spider)

検索エンジンが持つロボットプログラムで、インターネット上のWebページを巡回して情報を収集します。Googleのクローラーは「Googlebot」と呼ばれています。クローラーはリンクをたどってサイト内の各ページを訪問し、そのコンテンツを読み取りデータベースに送ります。クローラーが訪問できないページはインデックスされず、検索結果に表示されないため、クローラビリティ(クローラーのアクセスしやすさ)を確保することは重要です。

4. インデックス(Index)

クローラーが収集した情報を検索エンジンのデータベースに登録すること、またはそのデータベース自体を指します。「インデックスされる」とは、検索結果に表示される候補として登録されたことを意味します。新しいサイトやページが作成されても、インデックスされるまでは検索結果に表示されません。Googleの「Search Console」では、自分のサイトがどのようにインデックスされているかを確認できます。

5. SERP(Search Engine Results Page:検索結果ページ)

ユーザーが検索キーワードを入力した後に表示されるページのことです。SERPには「自然検索結果(オーガニック検索結果)」と「広告」が表示され、SEOでは自然検索結果での上位表示を目指します。最近のSERPは、リッチスニペット、ナレッジパネル、ローカルパック、ショッピング結果など多様な要素を含み、従来の10件の青いリンクとは大きく様変わりしています。

6. クエリ(Query:検索語句)

ユーザーが検索エンジンに入力する検索語句や検索キーワードのことです。「情報検索クエリ」「ナビゲーションクエリ」「トランザクションクエリ」の3種類に分類されることが多く、ユーザーの検索意図によって異なります。例えば、「SEOとは」は情報検索クエリ、「Google Search Console ログイン」はナビゲーションクエリ、「SEOツール 無料」はトランザクションクエリに該当します。

7. アルゴリズム(Algorithm)

検索エンジンが検索結果の順位を決定するためのルールやプログラムです。Googleのアルゴリズムは200以上の要素(ランキングファクター)を考慮していると言われています。アルゴリズムは日々更新されており、大きな変更は「アップデート」として発表されることもあります。有名なアルゴリズムには「ペンギン」「パンダ」などがあります。

オンページSEO関連用語:サイト内部の最適化を理解する

オンページSEOとは、サイト自体を最適化する取り組みです。検索エンジンとユーザー双方にとって価値のあるサイトを作るために必要な用語を解説します。

1. タイトルタグ(Title Tag)

HTMLの<title>タグで指定されるページタイトルのことで、ブラウザのタブや検索結果に表示されます。SEO用語の中でも最も重要な要素の一つで、適切なキーワードを含め、60文字程度(30~35文字が理想)で作成するのが望ましいです。例えば「SEO用語集:初心者でもわかる50の専門用語解説 | サイト名」のような形式がベストプラクティスとされています。

2. メタディスクリプション(Meta Description)

HTMLのmeta descriptionタグで指定される、ページの概要を説明するテキストです。検索結果でタイトルの下に表示されることが多く、ユーザーのクリック率(CTR)に影響します。直接的なランキング要因ではありませんが、魅力的な説明文を120~160文字程度で作成することが推奨されています。キーワードを自然に盛り込み、そのページの価値を端的に伝えるようにしましょう。

3. 見出しタグ(Heading Tags:H1, H2, H3…)

ページの構造を示すHTMLタグで、H1からH6まであります。H1はページの主要タイトル、H2は大きなセクション、H3はサブセクションといった階層構造を作ります。見出しタグは検索エンジンがコンテンツの重要ポイントを理解するのに役立ちます。一般的には1ページにつきH1は1つのみ使用し、キーワードを自然に含める形で設定します。適切な見出し構造はユーザーの読みやすさも向上させます。

4. 内部リンク(Internal Link)

同一ドメイン内のページ同士を結ぶリンクのことです。内部リンクには主に3つの役割があります。①クローラーがサイト内を巡回しやすくする、②リンクジュース(評価)をサイト内で適切に分配する、③関連コンテンツに誘導してユーザーの滞在時間を延ばす。重要なページには多くの内部リンクを設定し、意味のあるアンカーテキストを使用するのがベストプラクティスです。

5. コンテンツ最適化(Content Optimization)

ユーザーと検索エンジン双方にとって価値のあるコンテンツを作成するための施策です。キーワードの適切な配置、読みやすい文章構成、有益な情報提供などが含まれます。質の高いコンテンツは「E-A-T(専門性・権威性・信頼性)」を備え、ユーザーの検索意図に応えるものである必要があります。また、定期的な更新や十分なボリューム(1,500語以上)も重要な要素とされています。

6. キーワード密度(Keyword Density)

コンテンツ内での特定キーワードの出現頻度を示す指標です。かつては高いキーワード密度が上位表示に有利とされていましたが、現在は不自然なキーワードの詰め込み(キーワードスタッフィング)はペナルティの対象となります。一般的に適切なキーワード密度は1~2%程度とされていますが、自然な文脈でキーワードとその関連語を使用することが重要です。

7. Alt属性(Alt Attribute)

画像に付与する代替テキストのことで、画像が表示されない場合やスクリーンリーダーを使用する場合に読み上げられる情報です。SEOにおいては、画像検索での表示や、検索エンジンがコンテンツの理解を深めるために重要です。Alt属性には画像の内容を正確に説明し、適切な場合はキーワードを自然に含めるようにしましょう。例:alt=”SEO用語集の解説図”

8. URLの最適化(URL Optimization)

検索エンジンとユーザーにとって理解しやすいURLを作成することです。最適化されたURLは短く、キーワードを含み、階層構造が明確で、特殊文字を含まないものが理想的です。例えば「https://example.com/seo-yougo-syu」のようなURLは、「https://example.com/article.php?id=12345」よりも優れています。URLはパンくずリスト表示やSERPでの表示にも影響するため、SEO上重要な要素です。

オフページSEO関連用語:外部評価の獲得を理解する

サイト外部からの評価に関わるオフページSEOの用語を解説します。検索エンジンはこれらの外部シグナルを権威性や信頼性の指標として重視しています。

1. バックリンク(Backlink)

他のウェブサイトからあなたのサイトへのリンクのことです。Googleのアルゴリズムにおいて、バックリンクは「他のサイトからの推薦票」として扱われ、重要なランキング要因となっています。ただし、すべてのバックリンクが同等の価値を持つわけではありません。高品質なサイトからの関連性の高いバックリンクが特に価値があります。一方で、低品質なサイトからの大量のリンクは、ペナルティの原因となる可能性もあります。

2. アンカーテキスト(Anchor Text)

リンクが設定されているクリック可能なテキストのことです。検索エンジンはアンカーテキストを、リンク先ページの内容を示す重要な手がかりとして使用します。例えば「SEO用語集」というリンクの「SEO用語集」部分がアンカーテキストです。キーワードを含むアンカーテキスト(キーワードアンカー)は強力なSEO効果がありますが、不自然に同じアンカーテキストが多用されると、スパム行為とみなされる可能性があります。

3. リンクジュース/リンクエクイティ(Link Juice/Link Equity)

リンクを通じて伝達される評価や権威性のことを指す俗語です。高い評価を持つページからリンクされると、そのページの「ジュース(価値)」の一部が受け取れるという考え方です。内部リンク戦略では、重要なページに多くのリンクジュースが流れるよう設計することが重要です。nofollow属性が設定されたリンクはリンクジュースを渡さないとされていましたが、現在のGoogleでは「ヒント」として扱われる場合もあります。

4. ドメインオーソリティ/ドメインパワー(Domain Authority/Domain Power)

サイト全体の権威性や強さを示す指標です。Googleの公式指標ではなく、MozやAhrefsなどのSEOツール会社が独自に開発した尺度です。0〜100の数値で表され、高いほどより強力なサイトと評価されます。ドメインオーソリティは主にバックリンクの質と量に基づいて算出され、競合サイト分析や自サイトのSEO進捗確認に役立ちます。

ドメインオーソリティスコア 評価 一般的な該当サイト
90-100 最高レベルの権威性 Google, Facebook, Wikipedia
60-89 高い権威性 大手メディア、有名企業サイト
40-59 中程度の権威性 業界内で確立されたサイト
20-39 発展途上の権威性 小〜中規模のビジネスサイト
0-19 初期段階の権威性 新規サイト、個人ブログ

5. 被リンク(インバウンドリンク)

他のサイトからあなたのサイトに向けられたリンクのことで、バックリンクと同義です。被リンクの数、質、多様性、関連性などが重要で、自然に獲得された被リンクが最も価値があります。被リンクプロファイル(リンク元サイトの種類や地域、アンカーテキストの分布など)のバランスが良いことも重要です。Google Search Consoleでは、自サイトの被リンク状況を確認できます。

6. リンクビルディング(Link Building)

サイト外部から質の高いバックリンクを獲得するための戦略的な活動です。有効なリンクビルディング手法には、質の高いコンテンツ作成(リンクを自然に集める)、ゲスト投稿、ブロケーション(情報提供による掲載)、ソーシャルメディア活用、コンテンツマーケティングなどがあります。かつての人工的なリンク購入や交換は、現在ではGoogleのガイドライン違反とされています。

7. ソーシャルシグナル(Social Signal)

FacebookのいいねやTwitterのリツイートなど、ソーシャルメディア上でのエンゲージメント指標のことです。直接的なランキング要因かどうかは議論がありますが、ソーシャルシグナルが強いコンテンツは拡散されやすく、結果としてバックリンクや訪問者の増加につながります。また、ソーシャルメディアプロフィールは検索結果に表示されることも多く、ブランド検索での露出を高める効果もあります。

テクニカルSEO関連用語:サイトの技術的最適化を理解する

テクニカルSEOは、サイトの技術的な側面からクローラビリティや表示速度を向上させるための取り組みです。初心者には難しく感じられる用語も、基本を理解すれば実践できるようになります。

1. robots.txt

クローラーに対してサイト内のどのページやディレクトリをクロールすべきか、すべきでないかを指示するテキストファイルです。サイトのルートディレクトリに配置され、主にクロールの効率化やプライベートなページの保護に使用されます。robots.txtで「Disallow」に設定されたURLはクロールされませんが、これはインデックス防止の確実な方法ではないことに注意が必要です。効果的な設定例は以下の通りです。

User-agent: *
Disallow: /admin/
Disallow: /private/
Allow: /
Sitemap: https://example.com/sitemap.xml

2. XMLサイトマップ(XML Sitemap)

サイト内のページ一覧をXML形式でまとめたファイルで、検索エンジンのクローラーに対してサイト構造を伝える役割を持ちます。特に新しいサイトや大規模サイト、内部リンクの少ないサイトにとって重要です。XMLサイトマップには、URLだけでなく、最終更新日、更新頻度、優先度などの情報も含めることができます。Google Search Consoleにサイトマップを登録することで、インデックスプロセスを促進できます。

3. HTTPステータスコード(HTTP Status Code)

サーバーがブラウザやクローラーに返す応答コードのことで、主に以下のような種類があります。

  • 200:正常(ページが正しく表示されている)
  • 301:恒久的リダイレクト(URLが永続的に変更された)
  • 302:一時的リダイレクト(URLが一時的に変更された)
  • 404:ページが見つからない(リクエストされたページが存在しない)
  • 500:サーバーエラー(サーバー側の問題でページが表示できない)

SEOの観点では、エラーコード(特に404や500)を最小限に抑え、適切なリダイレクト(301)を設定することが重要です。Search Consoleでこれらのエラーを監視し、対処することがテクニカルSEOの基本です。

4. 301リダイレクト(301 Redirect)

あるURLから別のURLへ恒久的に転送する設定のことです。サイトリニューアル時のURL変更や、同一コンテンツへの複数URL(www有無など)を統一する際に使用します。301リダイレクトを適切に設定することで、元のURLが持つリンクの評価(リンクジュース)を新しいURLに引き継ぐことができます。設定はサーバーの.htaccessファイルや、WordPressならプラグインで実装可能です。

5. 正規化(カノニカル化:Canonicalization)

同一または非常に類似したコンテンツが複数のURLで表示される問題(重複コンテンツ)を解決するための方法です。canonical(正規)タグを使用して、どのURLを主要バージョンとして扱うべきかを検索エンジンに伝えます。例えば、以下のようなHTMLタグを使用します。

<link rel=”canonical” href=”https://example.com/original-page/” />

これにより、検索エンジンは指定されたURLにインデックスの優先度を与え、重複によるSEO評価の分散を防ぎます。eコマースサイトの商品ページや、複数のパラメータを持つURLで特に重要です。

6. ページスピード(Page Speed)

Webページの読み込み速度のことで、ユーザー体験とSEOの両面で重要な要素です。Googleは2018年からモバイルページの表示速度をランキング要因に加えており、「Core Web Vitals」という指標で測定しています。ページスピードを改善するには、画像の最適化、ブラウザキャッシュの活用、JavaScriptの遅延読み込み、不要なコードの削除などが効果的です。Google PageSpeed InsightsやLighthouseでサイトの速度を分析できます。

7. モバイルフレンドリー(Mobile-Friendly)

スマートフォンやタブレットなどのモバイルデバイスで適切に表示・機能するウェブサイトの特性を指します。Googleはモバイルファーストインデックスを採用しており、モバイル版のコンテンツを優先的にインデックスします。モバイルフレンドリーの要素には、レスポンシブデザイン、タップできる要素の適切なサイズと間隔、読みやすいフォントサイズ、横スクロールが不要なレイアウトなどがあります。Google Search Consoleのモバイルユーザビリティレポートでチェックできます。

8. スキーママークアップ(Schema Markup)

構造化データとも呼ばれ、Webページのコンテンツを検索エンジンがより理解しやすくするためのコードです。schema.orgで標準化されたボキャブラリを使用し、コンテンツの種類や意味を明示的に伝えます。適切なスキーママークアップを実装すると、検索結果にリッチスニペット(評価星、料理のレシピ、イベント情報など)として表示される可能性が高まります。JSON-LD形式での実装が推奨されており、以下はその例です。

<script type=”application/ld+json”>
{
“@context”: “https://schema.org”,
“@type”: “Article”,
“headline”: “SEO用語集:初心者でもわかる50の専門用語”,
“author”: {
“@type”: “Person”,
“name”: “SEO専門家”
},
“datePublished”: “2023-05-15”
}
</script>

SEO分析・指標関連用語:効果測定を理解する

SEO施策の効果を測定し改善するためには、様々な指標を理解する必要があります。ここでは、分析に関わる重要なSEO用語を解説します。

1. CTR(Click-Through Rate:クリック率)

検索結果で表示された回数(インプレッション)に対して、実際にクリックされた割合を示す指標です。例えば、1000回表示されて50回クリックされた場合、CTRは5%となります。CTRが高いほど、検索結果でのタイトルやメタディスクリプションが魅力的であり、ユーザーの検索意図に合致していると考えられます。また、高いCTRはポジティブな利用者シグナルとして、さらなるランキング向上につながる可能性もあります。Google Search Consoleで「検索パフォーマンス」レポートから確認できます。

2. コンバージョン(Conversion)

Webサイトの目標となる成果行動が達成されることを指します。一般的なコンバージョンには、商品購入、資料請求、会員登録、問い合わせなどがあります。SEO施策の最終的な成功は、トラフィック増加だけでなく、コンバージョン数や品質の向上で測定されるべきです。コンバージョン率(訪問者数に対するコンバージョン達成者の割合)も重要な指標で、Google Analyticsなどのツールで測定できます。SEOの効果を経営層に説明する際は、この指標が特に有効です。

3. 直帰率(Bounce Rate)

サイトを訪問したユーザーが、他のページに移動せずに離脱した割合を表す指標です。高い直帰率は必ずしも悪いことではなく、コンテンツの性質によって適切な値は異なります。例えば、単一の質問に答えるブログ記事では高い直帰率が自然ですが、ECサイトでは低い方が望ましいでしょう。直帰率が不自然に高い場合は、ユーザーの期待と実際のコンテンツのミスマッチ、ページの読み込み速度の遅さ、使いにくいデザインなどが原因として考えられます。

4. アナリティクス(Analytics)

Webサイトのデータを収集・分析するためのツールや手法のことです。代表的なのはGoogle Analyticsで、訪問者数、滞在時間、直帰率、流入元、コンバージョンなど多様なデータを測定できます。SEO担当者にとってアナリティクスは必須のスキルで、データに基づいた意思決定を行うために重要です。最近ではGoogle Analytics 4(GA4)への移行が進んでおり、よりユーザー中心の測定やプライバシー保護を重視した設計になっています。

5. KPI(Key Performance Indicator:重要業績評価指標)

SEO施策の成功を測定するための主要指標のことです。SEOのKPIとしては、オーガニック検索からのトラフィック、特定キーワードでの順位、コンバージョン数(率)、新規訪問者数、ページビュー数などが一般的です。効果的なSEO戦略には、事前にKPIを設定し、定期的に測定・評価するサイクルが不可欠です。KPIはビジネスの目標に沿って設定し、単なる順位やトラフィックではなく、最終的なビジネス成果に紐づけることが重要です。

6. オーガニックトラフィック(Organic Traffic)

検索エンジンの自然検索結果からサイトに流入したユーザーのことを指します。有料広告やソーシャルメディア、直接アクセスとは区別されます。SEO施策の直接的な成果指標として最も基本的なものです。オーガニックトラフィックの増減を分析する際は、季節変動や検索トレンドの影響も考慮する必要があります。また、単純な訪問者数だけでなく、そのトラフィックの質(滞在時間やコンバージョン率など)も重要な評価ポイントです。

7. 検索ボリューム(Search Volume)

特定のキーワードが検索エンジンで検索される月間の平均回数のことです。SEO戦略やコンテンツ計画を立てる際に重要な指標で、どのキーワードをターゲットにすべきかの判断材料になります。高い検索ボリュームは大きなトラフィックポテンシャルを示す一方で、競争も激しいことが多いです。GoogleキーワードプランナーやAhrefs、SEMrushなどのツールで確認できます。業界や季節によって変動するため、トレンドも併せて分析することが効果的です。

8. インプレッション(Impression)

検索結果でサイトのURLが表示された回数を指します。ユーザーがスクロールして実際に目にした場合のみカウントされます。インプレッション数はサイトの可視性を示す基本指標で、増加傾向にあれば、より多くのキーワードや検索クエリで表示されるようになっていることを意味します。CTRと組み合わせて分析することで、タイトルやメタディスクリプションの改善点を見つけることができます。Google Search Consoleの検索パフォーマンスレポートで確認できる重要なメトリクスです。

検索エンジンアップデート関連用語:アルゴリズムの変化を理解する

Googleは検索結果の品質向上のため、定期的にアルゴリズムを更新しています。これらのアップデートを理解することは、長期的なSEO戦略を立てる上で非常に重要です。

1. コアアルゴリズムアップデート(Core Algorithm Update)

Googleが定期的に実施する大規模なアルゴリズム更新のことです。年に数回実施され、発表されることもあります。コアアップデートは特定の要素ではなく、複数の要素を包括的に評価する仕組みの変更であり、多くのウェブサイトのランキングに影響を与えます。コアアップデート後にランキングが下落した場合、特定の問題を修正するというよりも、全体的なコンテンツの質や価値を高める方向で対応するのが効果的です。Googleは「E-A-T」(専門性・権威性・信頼性)と「YMYL」(Your Money or Your Life)の概念を重視していると言われています。

2. モバイルファーストインデックス(Mobile-First Indexing)

Googleがウェブページのインデックス作成とランキング評価に、デスクトップ版ではなくモバイル版のコンテンツを優先的に使用する仕組みです。2019年から新規サイト、2020年からすべてのサイトに適用されています。この変更により、モバイル版とデスクトップ版でコンテンツが異なる場合、モバイル版のコンテンツが検索結果に反映されることになります。レスポンシブデザインの採用、モバイルでも読みやすいフォントサイズの設定、タップしやすいボタンサイズの確保などが重要になっています。

3. ペンギンアップデート(Penguin Update)

2012年に初めて導入され、その後何度か更新された、リンクスパムを対象としたGoogleのアルゴリズムアップデートです。自然でないリンク構築方法(リンク購入、過剰なリンク交換、低品質サイトからの大量リンクなど)を検出し、ペナルティを与えることを目的としています。2016年のアップデート以降は、アルゴリズムの一部としてリアルタイムで動作するようになりました。これにより、問題のあるリンクが検出されると、サイト全体ではなく、そのリンクの価値を減じる方式に変わりました。

4. パンダアップデート(Panda Update)

2011年に初めて導入された、低品質なコンテンツを対象としたGoogleのアルゴリズムアップデートです。主に、薄いコンテンツ、重複コンテンツ、コンテンツファーム(大量生産された低品質記事)、過剰な広告表示などを検出します。パンダアップデートにより、質の高いオリジナルコンテンツ作成の重要性が高まりました。ユーザーに価値を提供し、検索意図に合致した深い内容のコンテンツが評価されるようになっています。2016年以降は、コアアルゴリズムの一部として常時稼働しています。

5. MUMアップデート(MUM: Multitask Unified Model)

2021年に発表された、複雑な検索クエリに対応するためのGoogleの人工知能モデルです。BERTの1,000倍の性能を持つとされ、テキストだけでなく画像や動画なども理解し、複数の言語間で情報を処理できます。MUMの目的は、複雑な質問に対して、ユーザーが複数回の検索を重ねることなく、包括的な回答を提供することです。例えば「富士山に登った後、エベレストに登るには何が違うか」といった複雑な質問にも対応できるようになります。このアップデートにより、より自然な会話形式の検索や、マルチモーダル(複数の形式のコンテンツを横断した)検索体験が進化すると考えられています。

6. ページエクスペリエンスアップデート(Page Experience Update)

2021年に完全実装された、ユーザー体験を重視するGoogleのアップデートです。主に「Core Web Vitals」と呼ばれる3つのページロード速度指標(LCP、FID、CLS)と、モバイルフレンドリー、安全なブラウジング、HTTPS、侵入型インタースティシャル(全画面ポップアップ)の不使用という要素から構成されています。このアップデートにより、技術的なユーザー体験の要素がランキング要因としてより重要になりました。ただし、Googleは依然として「優れたコンテンツは、ページエクスペリエンスが良くなくても上位表示される可能性がある」と述べており、コンテンツの質が最重要であることに変わりはありません。

最新SEOトレンド関連用語:変化する検索環境を理解する

SEOは常に進化しており、最新のトレンドや概念を理解することが重要です。ここでは、近年注目されているSEO用語を解説します。

1. EAT(Expertise, Authoritativeness, Trustworthiness)

「専門性」「権威性」「信頼性」の頭文字を取った概念で、Googleが品質評価ガイドラインで重視している要素です。特にYMYLサイト(健康、金融など人々の生活に重大な影響を与える分野)において重要視されています。EATを高めるには、執筆者の専門資格の明示、正確な情報の提供、引用元の明記、ユーザーレビューの獲得、プライバシーポリシーの明確化などが効果的です。2022年12月には「E-E-A-T」(Experience-Expertise-Authoritativeness-Trustworthiness)と拡張され、「経験」の要素が追加されました。

2. YMYL(Your Money or Your Life)

「あなたのお金や生活」に関わるコンテンツを指す概念で、Googleは特に高い品質基準を適用しています。具体的には、健康・医療情報、金融アドバイス、法的アドバイス、ニュース、政治情報、購入決定に影響する情報などが含まれます。YMYLサイトは特にEATが厳しく評価され、事実に基づく正確な情報提供と専門家による監修が重要です。不正確な情報がユーザーの福祉に影響する可能性があるため、Googleはこれらのサイトに対して特に慎重な評価を行っています。

3. BERT(Bidirectional Encoder Representations from Transformers)

2019年に導入された、自然言語処理に革命をもたらしたGoogleの人工知能技術です。BERTは文脈を理解し、検索クエリの中の前置詞や接続詞などの小さな言葉の意味も把握できます。例えば「2019年にブラジル人が米国へのビザなしで旅行できるか」という検索で、「へ」という方向を示す言葉の意味を理解します。SEO担当者にとっては、キーワードの詰め込みよりも、自然な文章で検索意図に答えるコンテンツ作成が重要になったことを意味します。BERTの登場により、より会話的で長いクエリでの検索体験が向上しました。

4. ゼロクリックサーチ(Zero-Click Search)

ユーザーが検索結果ページでクリックすることなく、必要な情報を得られる検索体験のことです。検索結果上部に表示される「フィーチャードスニペット」「知識パネル」「ローカルパック」などの拡張検索結果により、ユーザーはウェブサイトにアクセスせずに情報を得ることができます。SEO担当者にとっては挑戦となりますが、フィーチャードスニペットを獲得するためのコンテンツ最適化(質問形式の見出しと明確な回答、リスト形式の情報など)が重要になっています。検索意図によっては、ゼロクリックでも電話やナビゲーションなどの別形式のコンバージョンにつながる可能性もあります。

5. 音声検索最適化(Voice Search Optimization)

スマートスピーカーやスマートフォンの音声アシスタントを通じた検索に対応するためのSEO施策です。音声検索は通常の検索と異なり、より会話的で長いフレーズが使われ、「誰が」「何を」「どこで」などの疑問詞から始まることが多いです。音声検索に最適化するには、自然な会話調のコンテンツ作成、FAQ形式の採用、地域情報の強化、スキーママークアップの実装、サイト速度の改善などが効果的です。特に地域ビジネスは「近くの〇〇」といった検索が多いため、Googleマイビジネスの最適化も重要です。

  1. 会話的な長尾キーワードを使用する
  2. 質問と回答の形式でコンテンツを構成する
  3. モバイルフレンドリーなサイト設計を徹底する
  4. ローカルSEOを強化する
  5. スキーママークアップを実装する

6. AIと検索(AI and Search)

人工知能(AI)技術が検索エンジンとSEOに与える影響を指します。Googleの検索アルゴリズムにはRankBrain、BERT、MUMなどのAI技術が導入されており、検索意図の理解と最適な結果提供が進化しています。2023年にはBard、Microsoft CopilotなどのAIチャットボットが検索体験に組み込まれ始め、従来の検索結果ページの形が変わりつつあります。AIによるコンテンツ生成も普及していますが、Googleは「人間のための、人間によって作成された役立つコンテンツ」を評価する方針を示しています。SEO担当者はAIツールを活用しつつも、人間の専門性、経験、創造性を加えたオリジナルコンテンツの提供が求められています。

SEO用語を理解して効果的な施策を実施しよう

この記事では、SEO初心者が知っておくべき50のSEO用語を解説してきました。専門用語を理解することで、SEOの本質が見えてくるはずです。重要なのは、これらの用語を単に暗記するのではなく、それぞれがどのように関連し、実際のSEO施策にどう活かせるかを考えることです。検索エンジンの基本的な仕組みを理解し、オンページ・オフページ・テクニカルSEOの各側面からサイトを最適化し、適切な分析指標で効果を測定する—このサイクルを継続することがSEO成功の鍵となります。また、検索エンジンのアルゴリズムは常に進化しているため、最新トレンドにも目を向けましょう。SEOは一朝一夕で成果が出るものではありませんが、正しい知識と継続的な取り組みによって、確実に成果を上げることができます。この用語集を足がかりに、さらに深く学び、実践していくことをお勧めします。

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