八重歯矯正を検討している人の中には「治療後に後悔してしまわないか」「そもそも八重歯は抜歯してもよいのか」など、不安を抱えている方が多いのではないでしょうか。笑顔の印象を左右する歯並びだけに、慎重に考えておきたい方も少なくありません。八重歯矯正のメリット・デメリットを正しく理解し、納得のいく治療を選択しましょう

目次

八重歯矯正で後悔する原因

八重歯矯正における後悔の多くは抜歯の要否や仕上がりのイメージのズレなど、事前の確認不足が要因となって起こります。矯正治療は歯列を根本的に動かすため、どうしてもある程度の期間がかかりますし、場合によっては抜歯が必要になることもあります。

もし「抜歯なし」で治せると思っていたのに「実は抜歯が必要だった」、「抜歯したら歯の見た目が思っていたと違う」といったことになれば、後悔の念を抱きやすくなるでしょう。また、矯正期間中の見た目や痛み、生活上の負担が予想より大きかったり、結果に対して費用が見合っていないと感じたりすることも後悔の理由になり得ます。

抜歯の判断についてさらに詳しく知りたい場合は、下記の記事も参考にしてください。

八重歯を放置するリスク

「後悔するくらいなら八重歯を矯正しなくてもいいのでは?」と思うかもしれません。しかし、八重歯を放置するリスクは意外に大きいものです。具体的には以下のような問題が挙げられます。

問題
歯磨きがしづらく、虫歯や歯周病リスクが高まる
噛み合わせに悪影響が出て肩こりや顎関節症が起こりやすくなる
口元のバランスが崩れ、将来的に口呼吸や口周りの筋力低下につながる
見た目のコンプレックスが強まる可能性がある

八重歯は歯列から飛び出していることが多いため、どうしても周囲の歯と比べてケアが行き届きにくいという問題があります。口内トラブルを避けるためにも、気になる八重歯をそのままにせず、早めに矯正の検討を始めるとよいでしょう。

八重歯矯正で抜歯する場合のメリット

八重歯矯正で後悔するとして取り沙汰されがちな「抜歯」ですが、抜歯が必ず悪いわけではありません。むしろ抜歯によって矯正をスムーズに進められるメリットもあります。

スペースが不足している場合

八重歯の原因の多くは顎のサイズや歯の大きさのバランスが合わず、歯が正しい位置に並ぶスペースが足りないことです。抜歯を行うことでその分のスペースを確保し、正しい歯列へと歯を移動しやすくなります。抜歯によるスペース確保があると、ワイヤー矯正でも無理なく歯を動かせるため、最終的な見た目や噛み合わせの精度を高めやすいというメリットがあります。

また、抜歯の有無で顔の印象がどのように変わるのか、詳しく知りたい方は下記の記事もチェックしてみてください。

抜歯しないと抜歯対象の歯にダメージがある場合

場合によっては、八重歯自体が虫歯や歯周病リスクの高い状態だったり、すでに歯根が脆くなっていることがあります。こうした場合、抜歯しないまま放置するとかえって口内の健康を損ねる可能性が高まります。八重歯の寿命が短いなら、思い切って抜歯してその後の歯列を整えた方が長期的にはメリットが大きい場合もあります。

八重歯矯正で抜歯を避ける場合

「抜歯しないで矯正がしたい」「大事な犬歯は残したい」という声も少なくありません。犬歯は歯根が長く、噛み合わせでも重要な役割を果たす歯です。可能であれば、抜歯を回避して歯列を整える選択肢を探りたいところでしょう。抜歯を避ける場合と、その理由を紹介します。

他の歯を優先的に抜歯した方が良い場合

八重歯が口内で果たす機能を残すため、むしろほかの歯を抜歯してスペースを作ることが望ましい場合もあります。例えば、出っ歯も同時に矯正したい場合には、奥歯を1本抜歯して歯列全体を後ろに下げることで、出っ歯と八重歯の両方を改善できる可能性があるのです。犬歯よりも寿命や機能が劣っている歯が存在する場合は、そちらを抜歯の対象にすることが多いでしょう。

ディスキングや拡大装置でスペースを確保できる場合

矯正治療の一環として、歯を少しだけ削る「ディスキング(IPR)」や、歯列を横方向に拡大する「側方拡大」などの方法もあります。これらの方法を適切に用いれば、必ずしも抜歯を行わなくても歯が並ぶスペースを確保できる場合があるのです。八重歯が軽度なずれであれば、ディスキングなどで対処しやすい場合もあるため、医師とよく相談しましょう。

後悔しないためのポイント

八重歯矯正は、歯列全体や口腔内の健康を考慮しながら行う大きな治療です。後悔を避けるためには、治療前の情報収集やカウンセリングがとても重要になります。主なポイントは以下のとおりです。

ポイント
治療方針を複数の医院で相談し、納得できる説明を受ける
抜歯のメリット・デメリット、抜歯をしない治療法の可能性を比較する
費用と期間、そして最終的な仕上がりのイメージをしっかり確認する
術後や矯正期間中のリスク・痛みや生活上の注意点も把握しておく

必ずしも「抜歯=後悔」ではありませんし、「抜歯しない=成功」とも限りません。よりよい選択をするために必要なのは、信頼できる矯正歯科医としっかりコミュニケーションをとることです。もし、治療後に「やらなきゃよかった」と感じる不安があるなら、下記の記事で他の方の体験や注意点を確認してみるのもおすすめです。

八重歯を矯正する方法

八重歯を矯正する際、抜歯の有無は個人差がありますが、実際の矯正装置も複数の種類から選ぶことになります。代表的な方法は3つあり、それぞれ特徴が異なります。

表側矯正(ワイヤー矯正)

歯の表側にブラケットとワイヤーを装着し、力をかけて歯を動かすオーソドックスな方法です。重度の乱れにも対応しやすく、さまざまな症例で用いられます。その反面、矯正装置が目立つ、治療期間が比較的長いなどのデメリットがあるのが特徴です。ただし、最近ではブラケットを目立ちにくい素材に変えるなど、審美面を考慮した工夫も行われています。

裏側矯正(リンガル矯正)

歯の裏側に装置を付けるため、表からはほとんど見えず、目立ちにくいのが大きなメリットです。接客業や人前に立つ仕事の方に選ばれることが多い方法ですが、表側矯正よりも高度な技術を要するため費用が高めになります。また、舌が装置に当たりやすく、最初のうちは発音や会話にやや影響が出ることもあるため、慣れるまで時間がかかることもあります。

マウスピース矯正

透明なマウスピース型の矯正装置を定期的に交換しながら歯を動かす方法です。最大のメリットは装置がほぼ目立たない点と、取り外しが可能で食事や歯磨きがしやすい点でしょう。痛みや違和感もワイヤー矯正と比べて少ない傾向があります。ただし、マウスピース矯正は適応できる症例に限りがあり、八重歯の程度によっては対応が難しい場合もあります。また、1日20時間ほど装着しなければならず、本人の自己管理が重要です。

費用と期間の目安

八重歯矯正の費用と治療期間は、装置の種類や抜歯の有無によっても大きく変わりますが、おおまかな目安は以下の通りです。

矯正方法 費用相場 治療期間
表側矯正 約70~100万円 1.5~3年
裏側矯正 約100~150万円 1.5~3年
マウスピース矯正 約60~100万円 1~2年程度

八重歯矯正は保険がきかない自由診療が基本となるため、クリニックや症例内容によって費用はかなり幅があります。矯正期間も個人差があるため、一度のカウンセリングで「どれくらいで終わるのか」「総額はいくらになるのか」といった見積もりをしっかり確認しておくと安心です。

後悔しないための対処法

八重歯矯正で後悔しないためには、以下のステップを押さえておくとよいでしょう。

ステップ
矯正歯科の複数医院を比較し、納得できるプランを見つける
抜歯のメリット・デメリット、抜歯しない矯正のリスクをよく理解する
治療費の総額と支払い方法(分割やデンタルローンなど)を確認しておく
治療の手順や期間、痛みの程度、アフターケアまで十分に説明を受ける
自分のライフスタイルや仕事の都合に合った矯正方法を選ぶ

特に「なぜ抜歯が必要なのか」を丁寧に説明してもらうことは重要です。そのほうが、後々「本当は抜歯しなくてよかったのでは?」と不安になるリスクが軽減されます。また、カウンセリング時に自分の希望をしっかり伝えつつ、医師からの提案を納得できるまで確認しましょう。

まとめ

八重歯矯正は、抜歯の有無を含めてさまざまな治療方法があり、費用や期間も大きく異なります。「八重歯矯正で後悔した」という声がある背景には、事前のカウンセリングや情報収集が不足していたことが大きく影響していると言えるでしょう。まずは信頼できる医療機関でカウンセリングを受け、自分に合った治療計画を立てることが大切です。

日本歯科グループのクリニックでは、豊富な治療実績と先端の技術力を活かし、患者さまの希望に沿ったオーダーメイドのマウスピース矯正を提供しています。専門スタッフのチーム医療と充実したサポート体制で、術前の疑問や不安をしっかりと解消しながら、安全・安心の治療を目指します。まずはお気軽にご相談ください。

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