サンプル_【2025年】マザーボードの選び方!見るべきポイントとおすすめのメーカーを解説

パソコンを新しく導入する際に、最も重要なパーツの一つがマザーボードです。しかし、多くの方がCPUやメモリに注目する一方で、マザーボードの選び方について詳しく知らないのが現状です。実際には、マザーボードがパソコン全体の性能や拡張性を大きく左右する重要な役割を担っています。

本記事では、マザーボードの基本的な役割から選ぶ時にチェックするべきポイントまで、分かりやすく解説していきます。

目次

マザーボードとは

マザーボードは、パソコンを構成するすべてのパーツを接続する電子回路の基板です。CPU、メモリ、グラフィックボード、ストレージなど、あらゆるコンポーネントがマザーボードを通じて連携し、一つのシステムとして機能します。

マザーボードの主な役割

マザーボードは、パソコンの土台として各種パーツを物理的に支える基盤であるとともに、それらのパーツ間でのデータ通信や電力供給を制御する司令塔としての役割も果たします。具体的には、CPUの処理能力を最大限引き出すための電力供給回路、メモリとの高速データ通信を可能にする回路、さらには外部機器との接続を担うインターフェース回路など、多岐にわたる機能が一つの基板上に集約されています。

CPUソケットの種類

CPUソケットは、CPUをマザーボードに物理的に接続する部分です。CPUのメーカーと世代によって対応するソケット規格が異なるため、使用予定のCPUに対応したマザーボードを選択する必要があります。

Intel系CPUソケット

最新の第12・13世代CPUにはLGA1700ソケットが採用されています。一世代前の第10・11世代にはLGA1200、第8・9世代にはLGA1151-v2が使用されており、世代間での互換性はありません。ハイエンド向けのCore i9 XシリーズなどにはLGA2066ソケットが採用されています。

AMD系CPUソケット

最新のZen4アーキテクチャを採用したRyzen 7000シリーズにはAM5ソケットが使用されています。一世代前のRyzen 5000・3000シリーズにはAM4ソケットが採用されており、AM4は比較的長期間使用されているため、幅広い世代のCPUに対応可能です。ハイエンド向けのThreadripperシリーズにはSocket sTRX4が採用されています。

チップセットによる機能の違い

チップセットは、マザーボードの機能を決定する重要な要素です。同じソケットでも、チップセットによって利用できる機能や拡張性が大きく異なります。

Intel系チップセット

Xシリーズがハイエンドモデルで、すべての機能に対応しています。Zシリーズは、K付きCPUのオーバークロックに対応し、PCI-Expressレーン数も多く確保されているため、高性能グラフィックボードの利用やマルチGPU構成に適しています。Hシリーズは一般消費者向けの普及モデル、Bシリーズはビジネスモデルとして位置づけられています。

AMD系チップセット

Xシリーズがハイエンド向けで全機能に対応しています。Bシリーズは一部機能に制限がある普及向けモデルですが、多くの用途で十分な性能を発揮します。Aシリーズはエントリーモデルで、コスト重視の構成に適しています。

マザーボードのサイズ規格

マザーボードには標準化されたサイズ規格があり、それぞれ異なる特徴と用途があります。適切なサイズを選択することで、必要な拡張性を確保しつつ、設置スペースとのバランスを取ることができます。

規格サイズ拡張スロット数用途
E-ATX330×305mm最大7ハイエンド・水冷システム
ATX244×305mm最大7一般的な用途・高拡張性
Micro-ATX244×244mm最大4コスパ重視・省スペース
Mini-ITX170×170mm1小型PC・超省スペース

E-ATX規格の特徴

最大330mm×305mmのサイズを持つ最大級の規格ですが、実際の製品は277×305mm程度が一般的です。最大7つの拡張スロットを搭載でき、メモリスロットも8本搭載可能なモデルが存在します。ハイエンドデスクトップや水冷システム搭載製品に多く採用されています。

ATX規格の特徴

244mm×305mmのサイズで、最も一般的な規格です。最大7つの拡張スロットと4~8基のメモリスロットを搭載し、高い拡張性を持ちながらも多くのPCケースに対応可能です。ミドルタワーからフルタワーケースでの使用に適しています。

Micro-ATX規格の特徴

244mm×244mmの正方形サイズで、最大4つの拡張スロットを搭載しています。コストパフォーマンスを重視した構成に適しており、CPU内蔵グラフィックスを使用する用途では特に有効です。ミニタワーからミドルタワーケースでの使用が可能です。

Mini-ITX規格の特徴

170mm×170mmの最小規格で、拡張スロットは1つ、メモリスロットも1~2基と制限されています。小型PCや省スペース設置が必要な環境に適していますが、組み立て難易度が高く、拡張性も限定的なため初心者にはお勧めできません。

搭載インターフェースのチェックポイント

マザーボードを選ぶ際には、搭載されているインターフェースの種類と数を確認することが重要です。これらは将来的な拡張性や使い勝手に大きく影響します。

ストレージ接続端子

SATA端子は、HDDやSATA SSDを接続するために必要です。一般的には4~6個搭載されており、複数のストレージを使用する場合は十分な数があることを確認しましょう。M.2スロットは、高速NVMe SSDを接続するための規格で、最近では2~3個搭載される製品が増えています。

拡張カード接続端子

PCI Expressスロットは、グラフィックボードや拡張カードを接続するために使用します。x16スロットはグラフィックボード用、x1スロットは各種拡張カード用として利用されます。使用予定の拡張カードに応じて必要なスロット数を確認することが重要です。

映像・音声出力端子

映像出力端子は、CPU内蔵グラフィックスを使用する場合に必要になります。HDMI、DisplayPort、DVIなどの規格があり、使用予定のモニターに対応した端子があることを確認しましょう。オーディオ出力端子についても、7.1chサラウンドやS/PDIF出力など、音響環境に応じた機能があるかチェックが必要です。

用途別マザーボードの選び方

マザーボードは用途によって最適な選択肢が大きく異なります。ここでは、具体的な用途別の選び方について詳しく解説していきます。

ハイパフォーマンス用途向け

ゲームや動画制作などの高負荷な用途では、Intel Core i9/i7もしくはAMD Ryzen 7以上のCPUと組み合わせて使用することが多く、少なくとも中間グレード以上のマザーボードが推奨されます。オーバークロック対応の頑丈なソケット設計は必須で、十分なフェーズ数を持つ電力供給回路により、高負荷時でも安定した動作を実現します。

一般用途向け

文書作成やインターネット閲覧などの一般用途では、Intel Core i3/PentiumまたはAMD Ryzen 3クラスのCPUで十分であり、エントリーモデルのマザーボードでも問題なく使用できます。この場合、CPU内蔵グラフィックスで十分な性能が得られるため、専用グラフィックボードは不要です。

主要メーカーの特徴

それぞれ異なる特徴と強みを持っています。メーカー選択は、求める機能や予算、サポート体制などを総合的に考慮して決定することが重要です。

メーカー主要シリーズ特徴推奨用途
ASUSROG、TUF Gaming、PRIME幅広いラインナップ・高品質全般的な用途
MSIMEG、MPG、MAGゲーミング分野に強みゲーム・クリエイティブ
ASRockOC Formula、Taichi、Phantom Gaming個性的・幅広い価格帯コスパ重視・特殊用途
GIGABYTEAORUS、GAMING、ULTRA DURABLE安定性・耐久性・コスパビジネス・長期使用

ASUS製マザーボード

ASUSは、市場シェアトップクラスを誇るメーカーで、ROG(Republic of Gamers)、TUF Gaming、PRIMEなどの多彩なシリーズを展開しています。幅広いラインナップを持ち、エントリーモデルからハイエンドモデルまで充実した製品群を提供しています。コストパフォーマンスと品質のバランスが良く、初心者から上級者まで安心して選択できるブランドです。

MSI製マザーボード

MSIはゲーミング分野に強みをもつブランドで、MEG、MPG、MAGシリーズなどの高性能モデルを中心に展開しています。特にオーバークロック性能や冷却機能に優れた製品が多く、ゲーマーや動画クリエイターから高い評価を得ています。RGB LEDを活用したデザイン性の高さも特徴の一つです。

ASRock製マザーボード

ASRockは比較的新しいメーカーですが、個性的なモデルと幅広い価格帯の製品で注目を集めています。OC Formula、AQUA、Taichi、Phantom Gamingなどのシリーズを展開し、他社にない独特な機能や設計を採用した製品も多く見られます。コストパフォーマンスに優れた製品が多く、予算を抑えつつも高機能なマザーボードを求める方に適しています。

GIGABYTE製マザーボード

GIGABYTEは安定性と耐久性を重視した設計で知られ、AORUS、GAMING、AERO、ULTRA DURABLEなどのシリーズを展開しています。特にビジネス用途や長期間の安定動作が求められる環境では高い信頼性を発揮し、コストパフォーマンスにも優れています。

まとめ

マザーボードの選び方は、CPUソケットの互換性確認から始まり、チップセットによる機能差、サイズ規格による拡張性、そして用途に応じたグレード選択まで、多くのポイントを考慮する必要があります。

一般的なオフィス用途であればエントリーモデルで十分ですが、動画編集やCADなどの高負荷な作業を行う場合は、中間グレード以上の製品を選択することをお勧めします。

適切なマザーボードをお選びいただき、安定したシステム運用と将来的な拡張性を確保し、長期的に安定した環境を構築することができるでしょう。

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