インフラエンジニアの仕事、本当にきつい？エキスパートが語る8つの現実

1. インフラエンジニアの厳しい現実

インフラエンジニアの各々は技術の精進とともに抱える課題の重さも増していきます。それこそがこの仕事の厳しい現実です。

ここでは、その主な4つの現実について詳しく見ていきましょう。

それらは、求められる知識と経験、障害への対応プレッシャー、作業環境と体力的負担、そしてプライベートと仕事のバランスの難しさなどです。

1.1 一流のエンジニアに求められる知識と経験

インフラエンジニアの仕事は、サーバーからデータベース、クラウドなどへの深い理解が必要とされる一方、それらは日々進化し続けており、その更新に追いつくこと自体が難しいとされています。

この更新スピードについてついていくためには、日々の学びを習慣化し、問題解決能力を高める必要があります。

このため、自己肯定感を保つことや、自己開発への意識を高めることが一流のエンジニアに求められる要素となります。

1.2 インフラの障害と対応へのプレッシャー

また、予想外のトラブルの対応は、インフラエンジニアの大きなプレッシャーです。特に、障害が発生した場合、その解決までの時間は直接企業の利益に影響を与えます。

そのため、問題発生の瞬間から問題解決までのスピードと精度が求められます。これには深い知識のみならず、即座の判断力と冷静な対応が必要です。

これらのプレッシャーに耐えるためには、時にはチームワークやコミュニケーション能力も重要となります。

1.3 困難な作業環境と体力的な負担

また、インフラエンジニアの作業環境は多くの場合、機材の熱を逃がすために冷房がきいているため、長時間の作業は体調管理を難しくします。

さらに、システムの更新作業や緊急の障害対応等の都合上、深夜勤務があったり、多くの時間をオフィスで過ごすことも珍しくありません。

これらの体力的な負担に耐え抜くためには、健康管理と自己管理能力が欠かせません。

1.4 プライベートと仕事のバランスの難しさ

イノベーションが進行し、社会が24時間365日稼働する現代社会において、インフラエンジニアは連休や祝日でもインフラ環境を保守・監視する必要があります。

そのため、プライベートの時間が取りにくいといった課題があります。これが仕事とプライベートのバランスを取ることを難しくします。

このバランスを保つためには、時間管理能力や仕事の効率化、そして時にはメンタルの鍛錬も必要になります。

2. インフラエンジニアとは？その仕事内容とは

インフラエンジニアとは、情報技術（IT）インフラを設計、構築、運用、保守する人々のことを指します。サーバー、ネットワーク、ストレージなどの構成を総じて「ITインフラ」と呼びます。そのため、インフラエンジニアと言えば、ITシステムが万全に機能するために必要なバックボーンを支える専門家と言えます。

多種多様な技術分野に知識が求められる仕事ですから、その仕事内容は非常に広範で複雑です。しかし、この幅広い知識がインフラエンジニアをIT分野における重要な職種にしています。

ここでは、インフラエンジニアの基本的な仕事内容から責任、そして彼らが取り扱うテクノロジー、そして進行中のプロジェクトの管理について深堀りしてみましょう。

2.1 インフラエンジニアの基本的な仕事内容

インフラエンジニアの主な仕事内容は、企業のITシステムを維持し、最適なパフォーマンスを発揮させることです。彼らは、ネットワークの設計、サーバーの設定、データベースの管理、セキュリティの確保といった中心的な業務を担当します。

そのほかにも、インフラエンジニアはITシステムの問題を迅速に解決し、必要に応じてシステムのアップグレードや改善を行います。障害時の対応もインフラエンジニアの重要な任務で、この役割を果たせる人々は企業にとって不可欠な存在となっています。

さらに、インフラエンジニアは新しいITインフラを選択し、設計する立場でもあります。これらのプロジェクトには、企業のITニーズを理解し、それを満たすための最新のテクノロジーとソリューションを選び出す能力が求められます。

2.2 インフラエンジニアの重要性と責任

インフラエンジニアの責任は大きく、その重要性が企業の効率性と生産性に直接影響を及ぼします。だからこそ、彼らの役割は他のIT職種と同様、またはそれ以上に評価されており、絶えず新しい技術を学び続ける必要があります。

インフラエンジニアが不在だと、ITリソースの管理やシステムの一貫性の維持、セキュリティ対策など、企業のビジネス運営における重要な部分が滞り、結果的にビジネスの成長が妨げられてしまいます。

これらの責任は、エンジニアがインフラ環境に発生する問題に迅速に対応し、必要に応じてシステム環境を改善する能力を必要とします。必然的に彼らは、自身の知識とスキルを常に更新し、業界の最新技術に追いついていく必要があります。

2.3 インフラエンジニアが取り扱うテクノロジー

サーバー、ネットワーク機器、ストレージなどのハードウェアから、LinuxやWindowsなどのOS、VMwareやAWSなどの仮想化・クラウド技術まで、インフラエンジニアが取り扱わなければならないテクノロジーは多岐にわたります。

これらのテクノロジーへの理解だけでなく、高度な知識と技術を必要とするセキュリティ対策も彼らの重要な仕事の一つです。システムの安全性を保証し、情報漏洩などのリスクを最小限に抑えるためのセキュリティ対策は、インフラエンジニアの不可欠なスキルとなっています。

さらに、インフラエンジニアはソフトウェア開発者と協力して、開発環境の構築やアプリケーションのデプロイなどにも携わることがあります。これにより、システム全体の効率性と生産性を向上させるための改善策が見つかることもあるのです。

2.4 インフラエンジニアの進行中のプロジェクトの管理

インフラエンジニアは、進行中のプロジェクトの管理も行います。導入予定の新しいシステムやアップグレード計画の進捗状況を把握し、問題が発生した際にはその原因を追求して解決に導きます。

これらのタスクは時間とリソースを必要とし、エンジニアの判断力と組織力が試される場面でもあります。特に、複数のプロジェクトを同時に進行させる場合や、予期せぬ問題が発生したときの対応は、インフラエンジニアの技術力を超えたマネージメントスキルが求められます。

また、データセンターの運用や、クラウドサービスの導入など、特定のプロジェクトに特化した知識も必要とされます。これらのスキルを持つインフラエンジニアは、企業にとって非常に価値のある存在であり、その仕事は絶えず進化し続けているのです。

3. インフラエンジニアが直面する8つの挑戦

多くのプログラミング専門職に共通するテーマとして、知識とスキルの更新が必要という課題があります。しかし、インフラエンジニアにとってのこの挑戦は、一段と厳しさを増します。

対応が求められるテクノロジーが幅広く、それらが日々進化を続ける通信やサーバー、データベースの知識は、オン・オフを問わず、常に勉強を続けることを求められます。これは、インフラエンジニアが孤独に感じることがある一因ともなります。

技術の進歩に対応するためには、自身で主体的に情報を追う必要があります。だからこそ、自らを高め続ける力がインフラエンジニアには求められるのです。

3.2 障害発生時の圧倒的な責任とストレス

インフラエンジニアの重要な役割の一つは、システムの安定稼働を保つことです。それ故に、万が一の障害が発生した場合、その重大さと解決に至るまでのプレッシャーは計り知れません。

仮に何かが起こったとき、その原因追求と解決が求められます。それがときには明確な就業時間を超え、深夜や休日に及ぶこともあります。

障害が解決するまで社員が帰れないような状況のストレスも大きいです。高いリスクと大きな責任が常についてまわるのが、インフラエンジニアの宿命とも言えるでしょう。

3.3 24時間365日の運用・保守という負担

インフラエンジニアの重なる負担として、24時間365日の運用・保守が挙げられます。システムは常に動いており、それを支えるインフラエンジニアの手が休むことはありません。

緊急のトラブルは想定外の時間に起こることも多く、急な呼び出しに対応する場面もあります。これは予定の立てづらさや生活リズムの乱れをもたらす可能性があります。

また、季節や祝日などの影響を受けず、一年中無休で仕事に取り組むことが求められるため、プライベートの時間を確保するのが難しいという問題もひとつです。

3.4 残業や休日出勤が多いというリアリティ

前述の通り、予期せぬトラブル対応やシステムメンテナンスのため、残業や休日出勤が必要となることが少なくありません。

突発的なトラブルが発生した場合、問題が解決するまで現場を離れることが許されず、明け方まで作業ということもあります。また、システムの更新や改修は稼働中にはできないため、休日や深夜に作業を行うことが求められます。

これが、インフラエンジニアの仕事時間が長く、ハードであると言われる理由の一つです。時には自己管理を厳しく求められる職業であると言えるでしょう。

4. インフラエンジニアのきつい部分を乗り越える秘訣

いくら辛さが伴う仕事であっても、適切なストラテジーと対策を講じることで、それは乗り越えられる挑戦となります。ここでは、インフラエンジニアが直面する課題を乗り越えるための秘訣をいくつかご紹介します。

4.1 ストレスマネジメントの重要性

まず一つ目に、ストレスマネジメントの技術の重要性です。日々の仕事の中で起こるトラブルや深夜勤務、連休の割り込みなど、インフラエンジニアとして働く上で生じるストレスは決して軽視できません。

効果的なストレスマネジメントの秘訣としては、趣味を持つ、運動をする、十分な睡眠を確保するなどでストレスを解消していくことが挙げられます。

また、簡易的な瞑想や深呼吸を実施することによって、現場で起きる緊急事態でも冷静に対応できるよう自己調整する能力を身に付けることも重要です。

4.2 ワークライフバランスを保つためのヒント

そして二つ目に、ワークライフバランスを保つ秘訣があります。インフラエンジニアの仕事は、深夜勤務や休日出勤が必要となることから、余暇の確保が難しく思われることが少なくありません。

しかし、休息は仕事の生産性を高める上で必須な要素です。いくら仕事に打ち込みたくても、自分自身の状態を維持するためには十分な休息が必要です。

時間管理スキルを磨き、リモートワークの適切な活用や効率的なタスク管理などにより、仕事と私生活の均衡を保つことが大切です。

4.3 知識・スキルをうまくアップデートする方法

インフラエンジニアは新しい技術やツールを習得する必要がありますが、知識やスキルを適切にアップデートすることが肝心です。自己学習の時間を設け、定期的に新しい知識を学ぶことが大切です。

その一方で、すべてを一人で学ぶ必要はなく、専門家のセミナーやウェビナーに参加する、同僚や上司から学ぶなど、自分に合った方法で学び続けることが大切です。

また、新しい知識を得ることは重要ですが、それと同時に既存の知識やスキルを見直し、時代遅れになったものは脱却することも重要です。

4.4 メンタルヘルスの維持・向上について

最後に、メンタルヘルスの維持・向上です。エンジニアの仕事は高度な専門知識が求められるため、知的な負荷はもちろん、祝日や深夜に予定外のトラブル対応が求められることで精神的にもストレスがかかります。

ストレスが溜まりすぎるとワークパフォーマンスは当然下がるばかりか、健康に影響を及ぼすリスクもあります。自分がどの程度ストレスを感じているのかを客観的に把握することが重要です。

自分自身の心の状態を理解し、必要に応じてプロのカウンセラーなどに相談する勇気も持つことが大切です。また、定期的なリフレッシュをお忘れなく。

5. インフラエンジニアに求められるスキルとは

インフラエンジニアの仕事は、その名の通りインフラを管理し、整備するために必要なスキルを有していることが求められます。そのため、特に「ネットワーク構築・管理」、「システムの障害対応」、「クラウドサービスの運用・管理」、「プロジェクト管理」等の能力が重要視されます。以下、それぞれのスキルについて詳述します。

5.1 ネットワーク構築・管理を行うための基礎知識

このスキルは、インフラエンジニアにとって最も基本的であると言えます。企業のITインフラの基盤となるネットワークの構築・運用・管理を行います。これは、ネットワークの設計から設置、そして日々の運用、さらにはトラブル発生時の解決までを行うスキルが必要です。

このためには、ネットワークの構成要素（ルーターやスイッチ等）の知識、リモートアクセス技術、セキュリティ技術などが必要です。また、ネットワーク相互接続（インターネットワーキング）の知識も必須となります。

Ciscoといったベンダーの認定資格を取得していると、その能力を証明することができ、自身のスキルアップにも繋がります。

5.2 システムの障害対応・解決スキル

インフラエンジニアには、予期せぬトラブルや障害に対応し、システムを適切に管理、復旧させるスキルが求められます。

これには、ネットワークにおける障害の原因追求の経験や、負荷分散や冗長化などの設計視点の知識、そして障害が発生した場合の迅速な対処法と解析スキルが必要となります。

ITILや対策小委員会(CAB)などのフレームワークを用いてのシステム管理経験も、障害対応スキルを高める重要な要素となります。

5.3 クラウドサービスの運用・管理能力

現代のITインフラでは、クラウドサービスが欠かせません。そのため、クラウドサービスの運用・管理能力も求められます。

具体的には、アマゾンウェブサービス(AWS)やMicrosoft Azure、Google Cloud Platform (GCP)といった各種クラウドサービスに関する知識、そしてそれらをうまく運用・管理するための設定と最適化、セキュリティ対策の技術が必要となります。

各種クラウドサービスの認定資格を持つと、その能力を明確に示すことができます。

5.4 チームでのプロジェクト管理スキル

インフラエンジニアの仕事は、個人で行う作業だけでなく、チームでのプロジェクトを管理することも多々あります。そのため、プロジェクト管理スキルも必要となります。

具体的には、新規プロジェクトの計画立案・実施・進捗管理、そして成果物の品質管理などを通じてプロジェクトを遂行するためのリーダーシップ、そしてチームメンバーや関係者とのコミュニケーション能力が求められます。

PMP（プロジェクトマネージメントプロフェッショナル）の資格をはじめとした、プロジェクト管理に関する資格を保有していると、そのスキルを証明することができます。

6. インフラエンジニアの魅力とは

一見すれば、インフラエンジニアの仕事は厳しそうに見えるかもしれません。しかし、その一方で、この過酷な条件が生み出す魅力や成長の機会に注目することが重要です。

幅広い知識の習得、クリティカルなバリューの提供、そして最新のテクノロジーに触れる機会。これらはただの一部に過ぎません。

その他にも、この職種固有の魅力がたくさんあります。それらをより詳しくご紹介しましょう。

6.1 インフラエンジニアとしての成長の可能性

まず最初に、インフラエンジニアは常に進化し続けるIT業界においてスキルを磨き続ける必要があります。そのため、卓越したスキルを持つプロフェッショナルを目指すすばらしいプラットフォームとなっています。

また、急な障害やトラブルの解決に向けた忍耐力や判断力を培うチャンスも豊富にあります。これは、他の一部の技術的な仕事では得られない経験値となります。

さらに、実際のビジネス環境で即座に役立つ専門知識を深める貴重な機会を提供してくれます。

6.2 ITインフラがもたらす社会へのインパクト

インフラエンジニアの仕事は社会全体に大きなインパクトをもたらします。たとえば、企業のビジネス運営を支える重要なインフラの設計、構築、運用を担当します。

これにより、ITインフラがどの企業や個人の生活にも深く関与していることを理解することができます。

また、この仕事を通して、社会全体の技術的な進歩に貢献する醍醐味を感じることができます。

6.3 未来のテクノロジーを手掛けることの喜び

さらに、インフラエンジニアは最新のテクノロジーをいち早く学び、適用する特権を持っています。

例えば、クラウドコンピューティング、仮想化技術、サイバーセキュリティなど、進化し続ける技術に触れる機会が無数にあります。

そのため、自身が取り組むプロジェクトが企業のデジタル変革の推進力となる実感を得ることができます。

6.4 インフラエンジニアの裏側の魅力

インフラエンジニアの魅力はその仕事の厳しさにもあります。たとえば、深夜勤務や急なトラブル対応など、他の仕事にはない困難さに直面します。

しかし、それらを乗り越えることで得られる達成感やフラストレーションの後の安堵感は、他の仕事では味わうことのできない深みと重みを持っています。

これらの経験は、それ自体がプロフェッショナルとしての成長を後押しし、自分自身の能力を高める糧となります。