2026年最新版:ESで個性を際立たせる具体的な書き方と差別化テクニック

就職活動において、エントリーシート(ES)は企業との最初の接点となる重要な書類です。しかし、多くの就活生が同じような内容を書いてしまい、採用担当者の印象に残らないという悩みを抱えています。個性を出そうとしても「どう書けばいいのかわからない」「奇抜すぎて落とされないか不安」といった声も少なくありません。
本記事では、2026年最新の採用トレンドを踏まえ、ESで個性を効果的に表現する具体的な書き方と差別化テクニックを詳しく解説します。個性とは決して奇抜さではなく、あなた独自の経験や価値観を適切に伝えることです。採用担当者が「この人に会ってみたい」と思うESの書き方を、実例を交えながらお伝えしていきます。
ESにおける「個性」とは何か?採用担当者が求める本質
個性と奇抜さの違いを理解する
多くの就活生が誤解しているのが、個性を出すことは目立つことや奇抜なことを書くことではないという点です。採用担当者が求める個性とは、あなたの経験や考え方に基づいた「あなたらしさ」であり、企業文化にフィットする人物像を判断するための材料なのです。
例えば、「私は宇宙人と話せます」といった事実無根の内容や、過度に砕けた表現は個性ではなく、単なる常識の欠如と受け取られます。一方で、同じ「留学経験」を書くにしても、そこで何を感じ、どう行動し、何を学んだのかという独自の視点こそが個性となります。
採用担当者が評価する個性の3要素
採用担当者がESで評価する個性には、明確な3つの要素があります。これらを理解することで、効果的な自己表現が可能になります。
| 要素 | 内容 | 具体例 |
|---|---|---|
| 独自性 | 他者とは異なる経験や視点 | 一般的でない課題解決のアプローチ、独自の問題意識 |
| 一貫性 | 経験や価値観に筋が通っている | 過去の経験と志望動機がつながっている |
| 再現性 | 入社後も発揮できる強み | 具体的な行動パターンや思考プロセスの提示 |
2026年の採用トレンドと個性の関係
2026年の新卒採用市場では、AI技術の発展により定型業務の自動化が進んでいます。そのため企業は、創造性や独自の視点を持つ人材をこれまで以上に求めています。経済産業省の調査によれば、企業の82%が「個性的な発想力」を重視すると回答しており、画一的な優等生タイプよりも、独自の強みを持つ人材が評価される傾向にあります。
また、ダイバーシティ推進の流れから、多様なバックグラウンドを持つ人材の採用も積極化しています。あなたの経験が一般的でないと感じても、それこそが企業にとって価値ある個性となる可能性があるのです。
個性を引き出すための自己分析の深め方
「Why」を5回繰り返す深掘り法
個性を明確にするには、表面的な経験の羅列ではなく、その背景にある動機や価値観を掘り下げる必要があります。「なぜそれをしたのか」を5回繰り返して問いかけることで、あなた独自の価値観が浮かび上がります。
例えば「アルバイトでリーダーを務めた」という経験の場合、以下のように深掘りします。
- なぜリーダーを引き受けたのか?→メンバーの困っている様子を見て放っておけなかったから
- なぜ放っておけなかったのか?→チーム全体の雰囲気が悪化することが気になったから
- なぜ雰囲気が気になったのか?→自分自身も過去に孤立した経験があり、その辛さを知っているから
- なぜその経験が影響しているのか?→人が本来の力を発揮できる環境づくりに価値を感じるから
- なぜ環境づくりに価値を感じるのか?→個人の成長が組織全体の成果につながると信じているから
このプロセスを経ることで、単なる「リーダー経験」が「心理的安全性を重視する組織づくりへの関心」という独自の価値観として表現できるようになります。
他者との対話で見える「自分だけの視点」
自己分析は一人で行うだけでなく、他者との対話を通じて深めることも効果的です。友人や家族に「自分の特徴」を聞くと、自分では当たり前だと思っていた行動や考え方が、実は個性的であることに気づくケースが多くあります。
特に有効なのが「比較対話」です。同じ経験をした友人と話し、自分と相手の感じ方や行動の違いを明確にすることで、あなた独自の反応パターンが見えてきます。例えば、同じゼミ活動でも、あなたは「メンバー間の意見調整」に注力したのに対し、友人は「データ分析の精度」に集中していたなら、それぞれの個性が明確になります。
ライフラインチャートで転機を可視化する
ライフラインチャートとは、人生の満足度を時系列でグラフ化する自己分析手法です。横軸に年齢、縦軸に満足度をとり、人生の浮き沈みを線で結びます。このチャートを作成すると、あなたの価値観が形成された転機や、繰り返し現れる行動パターンが視覚的に理解できます。
特に注目すべきは、満足度が大きく変化した時期です。そこには必ず何らかの出来事や決断があり、それがあなたの個性を形成する重要な要素となっています。グラフの谷(低迷期)から這い上がった経験は、困難への対処法という個性として表現できますし、山(充実期)に共通する要素は、あなたがモチベーションを感じる条件として活用できます。
個性を際立たせる具体的な書き方テクニック
冒頭の一文で「あなたらしさ」を印象づける
ESの冒頭は採用担当者が最も注意深く読む部分です。ここで他の応募者と差別化できる独自の切り口を提示することで、続きを読みたいと思わせることができます。
ありがちな書き出しは「私は○○大学で××を学んでいます」や「私の強みはコミュニケーション能力です」といった定型文です。これでは数百通のESの中に埋もれてしまいます。代わりに、具体的なエピソードや印象的な気づきから始めると効果的です。
- 悪い例:「私の強みはリーダーシップです。大学時代、サークルで部長を務めました」
- 良い例:「『誰もやりたがらない仕事こそ、組織を変えるチャンスだ』。この信念のもと、私は予算管理という地味な役割に立候補しました」
良い例では、一般的な「リーダーシップ」という言葉を使わず、具体的な行動と独自の価値観を示すことで、読み手の興味を引きつけています。
数字と固有名詞で具体性を高める
抽象的な表現は誰にでも当てはまるため、個性が伝わりません。数字や固有名詞を用いることで、あなたの経験が具体的になり、リアリティが増します。
| 抽象的な表現 | 具体的な表現 |
|---|---|
| 多くの顧客に対応しました | 1日平均50名、繁忙期には80名の顧客に対応しました |
| 売上向上に貢献しました | 新メニュー提案により前年比15%の売上増加を実現しました |
| チームをまとめました | 意見が対立していた5名のメンバーと個別面談を重ね、共通目標を設定しました |
また、「マーケティングの本を読んだ」ではなく「フィリップ・コトラーの『マーケティング・マネジメント』を読み、STP分析を実践した」と書くことで、あなたの学びの深さと具体性が伝わります。
「失敗→学び→成長」のストーリー構成
完璧な成功体験よりも、失敗から学んで成長した経験の方が、あなたの人間性や思考プロセスが伝わり、個性として評価されます。特に重要なのは、失敗をどう捉え、どう行動したかという部分です。
効果的なストーリー構成は以下の通りです。
- 状況設定:どんな場面で何に取り組んだのか
- 困難・失敗:どんな問題や失敗に直面したのか
- 内省:失敗から何を学び、どう考えたのか
- 行動変容:学びをもとにどう行動を変えたのか
- 結果・成長:最終的にどんな成果や成長を得たのか
このストーリー構成で重要なのは「内省」の部分です。ここであなた独自の価値観や思考の癖が現れ、それが個性となります。「チームワークの大切さを学んだ」といった一般論ではなく、「自分の完璧主義がメンバーのモチベーションを下げていたと気づき、プロセスを共有する方法に切り替えた」といった具体的な気づきを書くことが重要です。
業界・企業特有の言葉を適切に使う
志望する業界や企業の専門用語を適切に使うことで、本気度と理解度を示すとともに、その企業文化にフィットする個性をアピールできます。ただし、無理に使うと不自然になるため、自分の経験と自然につながる範囲で使用しましょう。
例えば、IT企業であれば「アジャイル開発の考え方を学生プロジェクトに取り入れ、週次で振り返りを行った」、コンサルティング業界なら「イシューを明確にするため、関係者へのヒアリングから始めた」といった表現が効果的です。これにより、業界研究の深さと、入社後の活躍イメージを同時に伝えられます。
差別化を実現する5つの表現戦略
逆説的アプローチで意外性を生む
一般的な常識や期待と逆の視点を提示することで、読み手の注意を引き、あなたの独自性を強調できます。ただし、単に反対のことを言えば良いわけではなく、論理的な根拠が必要です。
例えば、「リーダーシップ」を語る際、多くの人は「メンバーを引っ張る力」として表現します。ここで「私が考えるリーダーシップは、先頭に立つことではなく、メンバーが自律的に動ける環境を作ることです」と逆説的に定義すると、あなた独自のリーダーシップ観が際立ちます。
- 一般的:「積極的に発言し、チームを牽引しました」
- 逆説的:「あえて沈黙を守り、メンバーの意見を引き出すことに徹しました」
- 一般的:「効率化を追求しました」
- 逆説的:「効率より対話の時間を増やし、結果的に生産性が向上しました」
この手法は、あなたの思考の深さと独自の価値観を効果的に伝えられますが、奇をてらうだけにならないよう、必ず具体的な経験と結果で裏付けることが重要です。
比喩・メタファーで印象に残す
適切な比喩やメタファーを用いることで、複雑な概念を分かりやすく伝えるとともに、あなたの表現力と個性を示すことができます。ただし、使いすぎると軽薄な印象を与えるため、1つのESで1〜2箇所程度に留めるのが効果的です。
例えば、チームでの役割を説明する際、「私はオーケストラの指揮者のように、それぞれの強みを活かす役割を担いました」と表現すると、単に「調整役でした」と書くより印象的です。また、困難な状況を「登山に例えれば五合目の段階」と表現することで、現状認識と今後の展望を簡潔に伝えられます。
効果的な比喩の条件は、誰もが理解できる身近なものであること、そして本質を的確に捉えていることです。専門的すぎる比喩や、こじつけのような比喩は逆効果になるので注意しましょう。
問いかけ形式で思考プロセスを見せる
自分自身に問いかけた疑問や葛藤を文章に含めることで、あなたの思考の深さと誠実さが伝わります。完成された答えだけを示すのではなく、そこに至るまでの思考プロセスを見せることが個性の表現につながります。
「なぜこのプロジェクトは上手くいかないのか?」「本当に顧客が求めているのは何か?」といった問いを文中に入れることで、あなたが課題に対して深く考える人物であることが伝わります。さらに、その問いに対する独自の答えを示すことで、あなたの価値観や判断基準が明確になります。
感情表現で人間性を伝える
ビジネス文書であるESでも、適度な感情表現は人間性を伝え、共感を生む効果があります。ただし、感情的になりすぎたり、ネガティブな感情を長々と書いたりするのは避けるべきです。
- 効果的な感情表現:「メンバーの笑顔を見たとき、苦労が報われたと感じました」
- 効果的な感情表現:「自分の提案が却下されたときは悔しかったですが、その経験が次の成長につながりました」
- 避けるべき表現:「本当に辛くて何度も泣きました」(ネガティブすぎる)
- 避けるべき表現:「超嬉しかったです!」(軽薄すぎる)
感情表現は、あなたが何に価値を感じ、何をモチベーションとするのかを伝える手段として活用しましょう。
視点の転換で多角的思考を示す
一つの出来事を複数の視点から捉えることで、あなたの思考の柔軟性と深さを示すことができます。自分の視点だけでなく、相手や第三者の視点も含めて状況を分析する姿勢は、ビジネスパーソンとして重要な資質です。
例えば、「顧客からのクレーム対応」について書く場合、「顧客の立場では」「店舗の立場では」「長期的な関係構築の視点では」といった多角的な分析を示すことで、表面的な対応ではなく本質的な問題解決を考える人物であることが伝わります。この多面的な思考こそが、あなた独自の個性として評価されます。
業界別・企業別の個性の出し方
IT・テクノロジー業界での個性表現
IT・テクノロジー業界では、論理的思考力と創造性のバランスが求められます。技術への興味だけでなく、それを使って何を実現したいのかというビジョンを示すことが個性の表現につながります。
効果的なアプローチとしては、自分でプログラミングやアプリ開発に取り組んだ経験を、「技術的な挑戦」と「ユーザー視点」の両面から語ることです。「Pythonで機械学習モデルを構築した」という技術面だけでなく、「祖母がスマホを使いこなせない姿を見て、高齢者向けUIを研究した」といった人間的な動機を組み合わせると、技術と人への関心を併せ持つ個性が伝わります。
| 企業タイプ | 求められる個性 | 表現のポイント |
|---|---|---|
| 大手IT企業 | スケールの大きい思考、協働力 | 社会的インパクトを意識した経験を語る |
| ベンチャー企業 | 主体性、変化への適応力 | ゼロから何かを作った経験、失敗からの学び |
| SIer | 顧客志向、粘り強さ | 相手の立場に立った問題解決の経験 |
金融・コンサルティング業界での個性表現
金融・コンサルティング業界では、論理性と数字への強さが基本ですが、それだけでは差別化できません。論理的思考の土台の上に、独自の視点や人間的な洞察を加えることで個性が際立ちます。
例えば、データ分析の経験を語る際、「エクセルで売上データを分析し、傾向を発見した」だけでは不十分です。「数字の裏にある顧客の行動心理を理解するため、店舗で観察調査も実施し、定量と定性の両面から仮説を検証した」と書くことで、数字を扱う能力と人間理解の両方を示せます。
また、この業界では「なぜその課題に取り組んだのか」という問題意識の独自性が重要です。一般的な課題ではなく、あなたならではの気づきから始まった取り組みを選ぶことで、個性が明確になります。
メーカー・製造業での個性表現
メーカー・製造業では、ものづくりへの情熱と、地道な改善を続ける粘り強さが評価されます。個性を出すには、「なぜその製品・技術に興味を持ったのか」という原体験を具体的に語ることが効果的です。
「子どもの頃、壊れた家電を分解して仕組みを理解しようとした経験から、ものづくりの面白さに目覚めた」といった原体験は、あなたの根源的な興味を示します。また、サークルやアルバイトでの「改善活動」の経験を、製造業の「カイゼン」の思想と結びつけて語ることで、業界への適性と個性を同時にアピールできます。
広告・マスコミ業界での個性表現
広告・マスコミ業界では、創造性と表現力が重視されますが、奇抜さだけでは評価されません。独自の視点で社会や人間を観察し、それを言語化する能力が求められます。
効果的なのは、日常の些細な出来事から独自の洞察を引き出す経験を書くことです。「通学路で毎日見かける看板の変化から、地域ビジネスのマーケティング戦略を考察した」「SNSでバズった投稿を分析し、共感を生む要素を体系化した」といった、観察眼と分析力を示すエピソードが個性として評価されます。
また、この業界では文章表現自体も評価対象です。読みやすさを保ちながらも、印象的なフレーズや独自の表現を適度に織り込むことで、表現力という個性を示すことができます。
個性を殺してしまうNG表現と回避法
よくある定型文とその改善方法
多くのESで見られる定型文は、個性を消し去る最大の要因です。以下のような表現は避け、具体的で独自性のある表現に置き換えましょう。
- NG:「貴社の企業理念に共感しました」→改善:「貴社の『顧客の声を製品に反映する姿勢』は、私がアルバイトで実践してきた『現場起点の改善活動』と共通しており、強く惹かれました」
- NG:「コミュニケーション能力が強みです」→改善:「相手の表情や声のトーンから本音を読み取り、言葉にされていないニーズを引き出すことが得意です」
- NG:「チームワークを大切にしています」→改善:「意見が対立したときこそ、双方の主張の根底にある共通の目的を見つけ出すことを心がけています」
- NG:「御社で成長したいです」→改善:「貴社の新規事業開発部門で、市場調査から事業化までの一連のプロセスを経験し、事業創造のスキルを磨きたいです」
定型文を避けるコツは、抽象的な言葉を使わず、具体的な行動や場面を描写することです。「コミュニケーション能力」ではなく「どんなコミュニケーションをどう行ったか」を書くことで、あなた独自のスタイルが見えてきます。
過度な謙遜と自信過剰のバランス
日本の文化では謙遜が美徳とされますが、ESでの過度な謙遜は個性を弱めます。一方で、根拠のない自信過剰も評価を下げます。バランスの取れた自己表現が重要です。
| 表現タイプ | 例文 | 評価 |
|---|---|---|
| 過度な謙遜 | 「大したことではありませんが」「まだまだ未熟ですが」 | ×自信のなさが伝わり、個性が弱まる |
| 自信過剰 | 「誰よりも優れています」「完璧にこなしました」 | ×根拠がなく、協調性への懸念 |
| 適切な表現 | 「この経験を通じて○○の力を身につけました」「△△の点では改善の余地がありますが、××は強みとして発揮できます」 | ○自己認識が適切で、成長意欲も伝わる |
適切なバランスを保つには、成果や強みを述べる際は具体的な根拠を示し、同時に課題や改善点にも触れることです。これにより、客観的な自己認識ができている人物として評価されます。
ネガティブ表現の適切な扱い方
失敗や弱みについて書く際、ネガティブな表現に終始すると印象が悪くなります。しかし、完全に避けることも不自然です。ネガティブな経験を成長の糧として前向きに転換することで、逆に個性と成長力をアピールできます。
効果的な構成は「ネガティブな状況→学び→ポジティブな変化」です。例えば、「チーム内で意見が対立し、プロジェクトが停滞した(ネガティブ)→対立の原因は目的の共有不足だと気づいた(学び)→以降、活動開始時に必ず目的を明文化し共有するようにした結果、スムーズな協働が実現した(ポジティブ)」という流れです。
避けるべきは、他者への批判や責任転嫁です。「メンバーが協力的でなかった」ではなく「私のコミュニケーション不足でメンバーの意欲を引き出せなかった」と自分の課題として捉えることで、成長志向の個性が伝わります。
個性を裏付ける具体的エピソードの選び方
「珍しい経験」よりも「独自の視点」を重視
個性を出すために特別な経験が必要だと考える就活生は多いですが、実際には日常的な経験でも、独自の視点や深い洞察があれば十分に個性的なESになります。採用担当者が見ているのは経験の希少性ではなく、その経験をどう捉え、何を学んだかという思考プロセスです。
例えば、「アフリカでボランティア」という珍しい経験よりも、「コンビニアルバイトで外国人客への対応を通じて多文化共生の課題に気づき、店舗独自の多言語マニュアルを作成した」という身近な経験の方が、問題発見力と実行力という個性を明確に示せる場合があります。
- 重要なのは「何をしたか」ではなく「なぜそれをしたか」「どう考えたか」
- 身近な経験でも、独自の問題意識があれば十分に個性的
- 経験の規模よりも、そこから得た学びの深さが評価される
複数の経験に共通するテーマを見つける
一貫性のある個性を示すには、複数の経験に共通するテーマや価値観を見つけることが効果的です。異なる場面で同じような行動パターンや問題意識が現れていれば、それはあなたの本質的な個性と言えます。
例えば、「ゼミでの研究」「アルバイトでの業務改善」「サークル活動」という3つの異なる経験すべてで、「データに基づいて判断する」という共通点があれば、それがあなたの個性です。ESでは、この共通テーマを軸に経験を選び、構成することで、説得力のある個性の提示が可能になります。
数字で測れる成果と測れない成長の両方を語る
個性を裏付けるエピソードには、定量的な成果と定性的な成長の両方を含めることが理想的です。数字で示せる成果は客観性を持ちますが、それだけでは個性は伝わりません。一方、内面的な成長だけでは具体性に欠けます。
| 要素 | 内容 | 例 |
|---|---|---|
| 定量的成果 | 数字で示せる具体的な結果 | 売上20%増、メンバー15名をまとめた、3ヶ月で達成 |
| 定性的成長 | 内面的な変化や気づき | 多様な意見を受け入れる柔軟性、失敗を恐れない姿勢 |
| プロセス | 成果に至るまでの具体的行動 | 週1回のミーティング設定、個別ヒアリングの実施 |
効果的なのは、「売上を15%向上させた(定量的成果)。この過程で、顧客の声を直接聞くことの重要性を学び、データだけでなく現場感覚を大切にする姿勢を身につけた(定性的成長)」というように、両方を組み合わせた表現です。
添削とフィードバックの活用法
第三者の視点で「伝わる個性」を確認する
自分では個性的だと思って書いた内容が、他者には伝わっていないケースは非常に多くあります。必ず第三者に読んでもらい、「あなたらしさ」が伝わるか確認することが重要です。
フィードバックを求める際は、単に「良いか悪いか」ではなく、具体的な質問をすることが効果的です。「この文章から、私のどんな特徴が伝わりますか?」「他の就活生と比べて、どこが独自だと感じますか?」といった問いかけにより、あなたの個性が適切に表現できているかを確認できます。
理想的なフィードバック相手は、あなたをよく知る友人と、あなたをあまり知らない第三者の両方です。友人はあなたの本質と文章のズレを指摘でき、第三者は初見の採用担当者の視点でのフィードバックを提供できます。
キャリアセンターと民間サービスの使い分け
ES添削サービスは大学のキャリアセンターと民間サービスがありますが、それぞれ特徴が異なります。個性を際立たせるには、両方を適切に使い分けることが効果的です。
- キャリアセンター:基本的な文章構成や誤字脱字のチェックに強い。大学の実績データに基づくアドバイスが得られる。ただし、個性的な表現には保守的な場合も。
- 民間サービス:業界別・企業別の具体的なアドバイスが得られる。個性的な表現へのチャレンジを後押ししてくれる傾向。ただし、サービスの質にばらつきがある。
- OB/OG:実際の選考を経験した生の声が聞ける。企業文化に合った個性の出し方を教えてもらえる。
効果的な活用法は、まずキャリアセンターで基本を固め、次に民間サービスで個性を磨き、最後にOB/OGで企業適合性を確認するという段階的なアプローチです。
複数バージョンを作成して比較検討する
一つのESに固執せず、異なるアプローチで複数バージョンを作成し、比較検討することで、最も効果的な個性の出し方が見えてきます。同じ経験について、異なる切り口や構成で書いてみることで、どの表現が最も「あなたらしさ」を伝えるかが明確になります。
例えば、リーダー経験について、「問題解決力」を軸にしたバージョン、「人間関係構築力」を軸にしたバージョン、「価値観の転換」を軸にしたバージョンを作成し、それぞれを第三者に読んでもらいます。最も反応が良かったバージョンが、あなたの個性を効果的に伝える表現と言えます。
最終チェック:個性が伝わるESの条件
読後に「あなたの顔」が浮かぶか
優れたESは、読み終わった後に書き手の人物像が鮮明に浮かぶものです。「この人はこういう価値観を持っている」「こんな場面でこう行動する人だ」というイメージが伝わることが、個性が表現できている証拠です。
自己チェックの方法として、自分のESを数日置いてから読み返し、「この文章から、自分という人間が伝わるか」を客観的に評価してみましょう。もし「誰が書いても同じような内容」に感じたら、個性の表現が不十分です。
企業が求める人物像との接点があるか
個性を出すことと、企業が求める人物像に合わせることは矛盾しません。むしろ、あなたの個性と企業文化の接点を明確に示すことで、「この会社で活躍できる独自の強み」として評価されます。
そのためには、企業研究を深め、その企業が大切にしている価値観を理解することが不可欠です。その上で、あなたの経験や価値観の中から、企業文化と共鳴する部分を強調して表現します。ただし、企業に合わせすぎて自分を偽ることは避けるべきです。本質的な部分で合わない企業に無理に合わせても、入社後のミスマッチにつながります。
具体性と普遍性のバランスが取れているか
個性を出すには具体性が必要ですが、具体的すぎて他の場面に応用できない内容では、入社後の活躍がイメージできません。逆に、抽象的すぎると個性が伝わりません。具体的なエピソードから、普遍的に応用できる強みや価値観を抽出することが重要です。
- 具体性:「カフェのアルバイトで、常連客の好みを記録するシステムを作った」
- 普遍性:「顧客一人ひとりのニーズを理解し、記憶に頼らず仕組みで対応する姿勢」
- 入社後の応用:「貴社でも、顧客データベースを活用した個別最適なサービス提供に貢献したい」
このように、具体的な経験から普遍的な能力を示し、さらに入社後の活躍につなげる構成が理想的です。
まとめ:個性は作るものではなく、引き出すもの
ESで個性を際立たせることは、決して難しいことではありません。重要なのは、無理に個性的に見せようとするのではなく、あなた自身の経験や価値観を深く掘り下げ、適切な言葉で表現することです。
本記事で紹介した手法を実践すれば、あなた独自の視点や強みが明確になり、採用担当者の印象に残るESを作成できます。自己分析で自分の本質を理解し、具体的なエピソードでそれを裏付け、効果的な表現技法で伝える。この3つのステップを丁寧に踏むことで、「この人に会ってみたい」と思わせるESが完成します。
個性とは、あなたがこれまで経験してきたこと、感じてきたこと、考えてきたことの積み重ねです。それを誠実に、具体的に、そして戦略的に表現することで、他の誰とも違う「あなたらしさ」が伝わるESになります。2026年の就職活動では、画一的な優等生よりも、独自の視点と強みを持つ人材が求められています。自信を持って、あなたの個性を表現してください。
