離職率が高い会社は避けるべき?新卒が数字を見る方法
離職率は就職先を考える材料ですが、数字だけで会社の良し悪しは決まりません。まず「誰が、いつ入社し、いつまでに辞めた割合か」を確かめましょう。母数や期間が違う数字を並べると、実態を誤って読みます。
1.指標の名前を確認する
新卒入社者の三年以内離職率と、ある一年間の全従業員の離職率は別の指標です。厚生労働省の新規学卒者の離職状況は、就職した卒業年の集団を追い、一定期間内に離職した人の割合を示します。企業が示す数字も同じ定義とは限りません。対象者、期間、計算方法を最初に確認します。
2.人数を一緒に見る
10人入社して2人が辞めた場合も、100人入社して20人が辞めた場合も割合は20%です。しかし少人数では一人の退職で割合が大きく動きます。可能なら分母と分子、何卒の集団かを確認します。数字が公開されていなければ、推測で補わないようにします。
3.会社の年齢と採用の変化を考える
設立から日が浅い会社では、三年分の新卒データがまだ揃わないことがあります。採用人数が急に増えた年は、全社員の構成も変わります。「三年以内離職率がない=低い」とは言えません。どの期間の情報があるかを見て、比較できる数字だけ並べます。
4.部署や職種の違いを確認する
全社の割合は、応募職種の状況をそのまま示すとは限りません。可能なら職種、勤務地、入社年度ごとの違いを尋ねます。ただし細かく分けると人数が少なくなり、個人の事情を推測しやすくなることにも注意します。公開されていない内訳を要求するより、今回の職種での育成や相談体制を確認しましょう。
5.理由を数字だけから推測しない
退職には転職、進学、家庭の事情、仕事との不一致など様々な理由があります。率だけを見て「労働環境が悪い」「成長できるから辞めた」と決めつけられません。会社が課題をどう把握し、育成や働き方をどう改善しているか、具体例を聞きます。
TechSuiteを見る場合
公式採用ページには新卒採用に関する情報があります。数字に触れる際は、対象の卒業年度、採用人数、在籍者の数、確認日を一緒に見ます。現在の新卒募集で受けられる研修や、配属後の相談先は別に確認してください。過去の在籍状況が未来の定着を保証するわけではありません。
比較表の列
「指標名」「対象者」「対象期間」「入社人数」「離職人数」「出典」「確認日」を同じ列にします。定義が違う欄は比較不能と記し、無理に順位を付けません。入社判断では、仕事内容、育成、労働条件、社員の実例も同じ表の別項目で評価します。
計算の違いを確かめる
企業が「離職率10%」と発表しても、その分母が年初の従業員数なのか、同じ年に入社した人なのかで意味が変わります。退職者に契約社員や中途入社者を含むかも確認します。厚生労働省の新卒の三年以内離職率と比較するなら、卒業年の集団を追った数字であるかが重要です。定義の違う数字を同じ棒グラフに並べないでください。
小規模企業の例
新卒が5人の年に1人が離職すれば20%です。次の年に5人全員が在籍すれば、その年の同じ指標は0%になります。変化が大きく見えても、人数が少ないことが理由の一つかもしれません。割合だけを読むより、人数と、複数年の推移を合わせて見ます。この例は計算の説明であり、特定企業の実績ではありません。
質問を工夫する
「離職率は高いですか」より、「今回の職種の新卒は入社初期にどの業務でつまずきやすく、どのような支援がありますか」と聞きます。会社が公表した人数や率があれば、その対象期間と計算方法を確認します。退職した人の個別の事情を詮索せず、応募者として判断に必要な仕組みに焦点を当てます。
公表がない場合
個社の数字が見つからなければ、無理に口コミから率を計算しません。何人が投稿したか、どの集団を代表するか分からないためです。採用窓口には、公表できる新卒の定着情報があるかを尋ね、なければ今回の職種の育成と相談の仕組みを確認します。
数字が低くても確認する
低い率は安心材料の一つですが、仕事の内容や配属、勤務条件が自分に合うことまでは示しません。会社が何を支え、何を求めるかを面接で聞きましょう。高低にかかわらず、同じ項目で企業を比べることが大切です。
まとめ
離職率が高いから即座に避ける、低いから安心する、とは判断できません。対象者、期間、人数を確かめ、退職の背景について確認できる範囲を見たうえで、自分が働く職種の実態を判断しましょう。
参考・確認した資料
厚生労働省「新規学卒者の離職状況」
TechSuite「新卒採用情報」
確認日:2026-10-08
